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木に魅せられた建築家のことば

2009年1月30日(金)

「自然」と「建築」について考える

木、石、土、紙・・・
自然素材を魅力的に取り入れた、数々の建築物を残している
建築家のお話を、「みなと森と水の会議」で聞くことができました。

隈 研吾 くまけんご
建築家
1954年横浜生まれ。
1979年東京大学建築学科大学院修了。
コロンビア大学客員研究員を経て、隈研吾建築都市設計事務所主宰。自然と技術と人間との新しい関係を切り開く建築を提案。2001年より慶應義塾大学理工学部教授。



バブル崩壊で、建築の仕事が急激に減り、暇で暇でしょうがなくなったときに
高知県梼原(ゆすはら)町にある、木造の芝居小屋「ゆすはら座」を見にいくことになり
これが転機となって、「コンクリートの建築」から「木の建築」に転化したそうです。

高知県・梼原町の庁舎は、地元の材をふんだんに使った、梼原町が世界に誇る建造物。
隈研吾さんの代表作です。


一見コワモテの隈研吾さんから発せられる「ことば」の1つ1つに
これからの生き方を示唆するキーワードが満載。
しかも「ことば」に迷いが無い!
チャレンジし続ける大人の男!
かっこいいです。

【私の備忘録として、心に残った「ことば」を記しておきます】

■日本では一級建築士が「コンクリート」、二級建築士が「木造」をやっているけれど
 これは逆ですね。コンクリートの建築は木の建築より簡単なんです。

■日本の大学ではコンクリートの建築しか教えてくれません。

■木の建築は「すきま」とか「うごき」とかを判った上で調整しないといけないので難しい。

■そもそも日本には「建築家」はいなかった。
 庭師が庭のデザインに調和する建築物を考えていたんです。

■だから「自然と建築の調和」は日本のお家芸であり美徳なんです。

■ナチス政権のドイツから日本に逃げてきた建築家ブルーノ・タウトは
 「日本は環境や自然との“関係”の建築だ」と、桂離宮を見て感動のあまり泣いたという
 逸話があります。

■今のゼネコンの仕事は、サッシやタイルや建材物を手配し下請けに振り分ける
 いわば「アセンブリ仕事」。

■ゼネコンが仕切っている仕事は、建築家と職人が直接やりとるすることを禁じられています。

■梼原町の庁舎は地元の工務店やたくさんの職人達と直接やりとりをしました。
 これが大変楽しかった!

■世界中で仕事をしているが、日本の職人は本当にすばらしい!
 木、石、土など、自然の材をこれほどまでに丁寧に美しく仕上げる技術が
 日本中のいたるところにあります。

■木の加工技術も日本は大変優れていて精度が高い。
 日本の建築に木を使わないのは「損」なのです。

■ヨーロッパでも木は見直されており、不燃の技術やジョイント技術がどんどん進んでいます。

■失われつつある日本のクラフトマンシップは、
 木の暮らしを取り戻すことでよみがえると思います。

■都市に居ながらして森にできる貢献は、木を使うこと。
 (耐火、耐震強度などの)法律も見直されており、可能性はどんどん広がっています。

■石油に依存できなくなり、金融システムのからくりにみんなが気が付いた時、
 日本の自然がもっている循環型の材はもっともっと注目されるでしょう。

■梼原村、北上川、新潟の高柳町・・・、どのプロジェクトも限られた予算の中で
 「やる気」や「行動力」のある町長さんや課長さんが頑張ってくれました。

■自然との共生は、頭で考えるんじゃなくて、身体で感じることだと思います。
 頭は間違えることがありますから。
 それは必要か、不必要か? 気持ちが良いか、悪いか?
 ちゃんと身体が嗅ぎ分けていくから、 それに正直になることじゃないでしょうか?




・・・私は、ちゃんと身体で嗅ぎ分けられているだろうか?
  だいぶ自然が足りない気がしてきました。
  森林浴したいです~!

木に魅せられた建築家のことば_c0197248_0221782.jpg

              身体で嗅ぎ分ける天才 ひなたのひなたぼっこ








 








 
 
by miauen_nanako | 2009-02-02 00:14 | 森をつくる


変なブログタイトルですみません。猫と暮らしながら、ドイツな生き方を探っています。1960年 東京生まれ。


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